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火山リスク分析サービス

日本は111の活火山を有する世界有数の火山大国です(2017年10月時点)。最近30年間だけでも、1986年の伊豆大島噴火、1990~95年の雲仙岳噴火、2000年の有珠山噴火や三宅島噴火、2011年の霧島山(新燃岳)噴火、2014年御嶽山噴火、などの火山災害が発生しました。海外では、2010年にアイスランドのエイヤフィヤトラヨークトル火山が噴火し、ヨーロッパの航空輸送に大きな影響を与えました。

このような火山リスクの「見える化」をサポートするため、応用アール・エム・エスでは、最新のシミュレーションを駆使した噴火に伴う噴石・火山灰の降灰シミュレーションに基づいたハザード・リスク分析サービスを提供しています。

火山リスク分析の特徴

  • 確率論的火山リスク分析
  • 上空の風向・風速による降灰量のバラツキを考慮すると共に、噴火発生確率の推定により確率論的な火山リスク分析に対応します。

  • 火山リスクの管理に!
  • 対象地点と噴火口の位置関係、気象条件等に基づきシミュレーションを実施し、分析対象地点の降灰量を予測します。降灰量と確率の関係(ハザードカーブ)や被害予測結果を提供します。

  • 風を考慮したシミュレーション!
  • 火山灰や噴石に影響を及ぼす風を考慮したうえで、サイトに最も火山灰や噴石が飛来する可能性が高い場合の気象条件に基づいて、火山灰や噴石の飛来を予測することが可能です。

  • 飛来物の粒径を考慮したシミュレーション!
  • 粒径別にサイトに飛来する飛来物の重量を算出することが可能です。そのため、対象施設に影響を及ぼす噴石などの飛来する可能性について検討することが可能です。

火山リスク分析結果(例)

①粒径別降灰量

粒径ごとの落下量を算出します。屋根や太陽光パネルなどの構造物に影響を及ぼす粒径を越える噴石がどの程度落下するかを定量的に評価することができます。

②ハザードカーブ

対象とする施設における降灰量とその確率の関係を示すハザードカーブを算出します。施設に被害を及ぼす降灰量以上となる確率や着目した確率(再現期間)における降灰量を評価することができます。

③降灰分布図

分析対象とした火山の降灰量の分布図を算出します。気象条件に応じた降灰量の分布図をみることで、状況に応じた施設周辺の降灰量を確認し、対策等の検討を行うことができます。

日本の火山リスク

日本の活火山

活火山とは、「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」のことで、日本には111の活火山があります。これらの活火山のうち、火山噴火予知連絡会により「火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山」として50火山が指定され、気象庁により火山活動が24時間体制で常時観測・監視されています。(2017年10月時点)

図 火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山の分布

参考

火山災害の種類

火山は時として大きな災害を引き起こします。災害の要因となる主な火山現象には・・・

  • 大きな噴石
  • 火砕流
  • 融雪型火山泥流
  • 溶岩流
  • 小さな噴石・火山灰
  • 火山ガス

等があります。また、火山噴火により噴出された岩石や火山灰が堆積しているところに大雨が降ると土石流や泥流が発生しやすくなります。特に、大きな噴石、火砕流、融雪型火山泥流は、噴火に伴って発生し、避難までの時間的猶予がほとんどなく、生命に対する危険性が高いため、防災対策上重要度の高い火山現象として位置付けられており、噴火警報や避難計画を活用した事前の避難が必要です。また、火山灰は、時には数十kmから数百km以上運ばれて広域に降下・堆積し、農作物の被害、交通麻痺、家屋倒壊、航空機のエンジントラブルなど広く社会生活に深刻な影響を及ぼします。

写真 火山灰の拡大写真

参考

火山災害の歴史

明治以降に日本に被害をもたらした主な火山災害をご紹介します。

表 明治以降に日本に被害をもたらした主な火山災害
発生年 火山名 被害の概要
1888 磐梯山 大泥流により山麓の村落が埋没。死者461
1900 安達太良山 火口の硫黄鉱山施設、山林耕地施設に被害。死者72
1902 伊豆鳥島 中央火口丘爆砕。全島民125名死亡
1914 桜島 溶岩流出、村落埋没、焼失。地震鳴動顕著。死者58
1926 十勝岳 大泥流発生。2ヶ村村落埋没。死者144
1952 ベヨネース列岩 海底噴火。観測船第5海洋丸の避難により全員(31名)死亡
1983 三宅島 溶岩流出、阿古地区家屋焼失・埋没394棟
1986 伊豆大島 全島民等約1万人が島外避難
1990 雲仙岳 火砕流により死者41、行方不明3
2000-2005 三宅島 噴石。火砕流を伴う噴火。大量の火山ガス。全島避難
2014 御嶽山 噴石等により死者58、行方不明者5。

内閣府ホームページ「Ⅲ わが国の主な火山災害」を参考にOYORMS作成