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台風リスク分析サービス

赤道付近で発生した台風は毎年夏から秋にかけて日本に接近・上陸し、まれに大きな被害をもたらす場合があります。近年では、2004年の台風18号では強風・高潮・波浪により死者・行方不明者46名、住家損壊60,000棟以上という大きな被害が発生し、同年の台風23号では河川氾濫・土石流・高波などにより死者・行方不明者98名、住家の浸水50,000棟以上の被害が発生しました。

このような台風リスクの「見える化」をサポートするため、応用アール・エム・エスでは、保険・再保険市場で世界標準のリスク評価モデルRiskLink®を利用し、台風による予想損失額を評価します。

台風リスク分析の特徴

  • 効果的なBCPや各種対策などの検討を支援
  • バックアップサイトやデータセンター等の候補地選定、効果的なBCPの検討、各種対策の優先順位付けなど様々なシーンで活用できます。

  • 海外の台風(ハリケーン)リスクの把握に!
  • アメリカ・アジアの様々な国の台風・ハリケーンリスクモデルがあり、海外拠点のリスク分析・リスク管理にも活用されています。

  • 第三者の立場に立った分析
  • 応用アール・エム・エスは保険会社や金融機関など特定の業界や企業と特別な関係は有していないため、第三者の立場に立った公正な分析として、高い信頼をいただいております。CSR やステークホルダーに対する合理的な説明にも活用されています。

台風リスク分析結果

①リスクカーブ

対象とする施設に対するリスクカーブを算出します。目標とする確率に応じた予想損失額が把握でき保険限度額の設定などに活用できます。

日本の台風リスク

台風とは

熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼びますが、このうち北西太平洋(赤道より北で東経180度より西の領域)または南シナ海に存在し、なおかつ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のものを「台風」と呼びます。台風は上空の風に流されて動き、また地球の自転の影響で北へ向かう性質を持っています。そのため、通常東風が吹いている低緯度では台風は西へ流されながら次第に北上し、上空で強い西風(偏西風)が吹いている中・高緯度に来ると台風は速い速度で北東へ進みます。

参考

台風の大きさと強さ

気象庁は台風のおおよその勢力を示す目安として、下表のように風速(10分間平均)をもとに台風の「大きさ」と「強さ」 を表現します。「大きさ」は強風域(風速15m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲)の半径で、「強さ」は最大風速で区分しています。さらに、風速25m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲を暴風域と呼びます。

表 強さの階級分け
階級 最大風速
強い 33m/s(64ノット)以上~44m/s(85ノット)未満
非常に強い 44m/s(85ノット)以上~54m/s(105ノット)未満満
猛烈な 54m/s(105ノット)以上
表 大きさの階級分け
階級 風速15m/s以上の半径
大型(大きい) 500km以上~800km未満
超大型(非常に大きい) 800km以上

参考

台風災害の種類

台風によって引き起こされる災害には、風害、水害、高潮害、波浪害などがあります。もちろん、これらは単独で発生するだけではなく、複合して発生し大きな被害となることがあります。

風害・高潮害・波浪害-2004年台風第18号

2004年9月7日午前に長崎県に上陸した台風は、九州北部を縦断した後に加速しながら日本海を北東に進み、暴風域を伴ったまま8日朝には北海道の西海上を北上しました。この台風により、全国的に20m/s以上の非常に強い風が吹き、北海道では半数を超える気象官署で最大瞬間風速の極値を更新しました。この台風による被害は、西日本、北海道を中心に死者・行方不明者46人、負傷者1,399人、住家の損壊64,993棟、住家の浸水21,086棟に達しました。また、西日本では船舶の乗揚げ事故が相次いで発生しました。

図 台風18号による期間内最大瞬間風速(2004/9/4-8)

水害-2004年台風第23号

平成16年10月19日に沖縄本島から奄美諸島沿いに進んだ台風は、20日に大型で強い勢力を保ったまま高知県に上陸しました。台風はその後四国地方、近畿地方、東海地方を通過し、21日に関東地方で温帯低気圧に変わりました。

台風と前線の影響による期間降水量は、四国地方と大分県で500mmを超えたほか、近畿北部、東海地方、甲信地方で300mmを超え、広い範囲で大雨となりました。このため、兵庫県を流れる円山川、出石川と京都府を流れる由良川がはん濫して家屋の浸水、耕地の冠水が多く発生したほか、京都府、岡山県、香川県、愛媛県など西日本を中心にがけ崩れや土石流が発生しました。また、高知県では高波により堤防が損壊し、倒壊した住宅がありました。これらにより、全国で死者・行方不明者98人、負傷者721人、住家の損壊21,350棟、住家の浸水54,347棟などの甚大な被害となりました。

図 台風23号・前線による期間降水量(2004/10/18-21)

参考

台風災害の歴史

2000年以降に日本に被害をもたらした主な台風災害をご紹介します。

表 2000年以降に日本に被害をもたらした主な台風災害
発生年月 台風名 死者・行方不明者 住家全半壊 一部損(床上・床下浸水含)
2000/9 停滞前線・台風第14・15・17号 12 206 69,412
2002/7 台風第6号・梅雨前線 7 82 11,268
2004/8 台風第16号 17 256 46,220
2004/9 台風第18号 46 1,650 84,429
2004/9 台風第21号・秋雨前線 27 893 22,445
2004/10 台風第22号・前線 9 435 13,391
2004/10 台風第23号・前線 98 8,836 66,861
2005/9 台風第14号・前線 29 5,113 16,349
2006/9 台風第13号 10 673 12,587
2011/8-9 台風第12号 98 3,538 22,564
2011/9 台風第15号 20 1,558 12,232
2013/9 台風第18号 7 256 11,483
2015/9 台風第18号 14 7,126 16,038

参考