海底下で大きな地震が発生すると、断層運動により海底が隆起もしくは沈降します。これに伴って海面が変動し、大きな波となって四方八方に伝播するものが津波です。
津波は、海が深いほど速く伝わる性質があり、沖合いではジェット機に匹敵する速さで伝わります。 逆に、水深が浅くなるほど速度が遅くなるため、津波が陸地に近づくにつれ後から来る波が前の津波に追いつき、波高が高くなります。
水深が浅いところで遅くなるといっても、オリンピックの短距離走選手なみの速さで陸上に押し寄せるので、普通の人が走って逃げ切れるものではありません。 津波から命を守るためには、津波が海岸にやってくるのを見てから避難を始めたのでは間に合わないのです。 海岸付近で地震の揺れを感じたら、または、津波警報が発表されたら、実際に津波が見えなくても、速やかに避難しましょう。
津波の高さは海岸付近の地形によって大きく変化します。さらに、津波が陸地を駆け上がる(遡上する)こともあります。 岬の先端やV字型の湾の奥などの特殊な地形の場所では、波が集中するので、特に注意が必要です。 津波は反射を繰り返すことで何回も押し寄せたり、複数の波が重なって著しく高い波となることもあります。 このため、最初の波が一番大きいとは限らず、後で来襲する津波のほうが高くなることもあります。
※気象庁ホームページ「津波発生と伝播のしくみ」より作成
明治以降に日本に被害をもたらした津波で100名以上の死者が発生した津波をご紹介します。
発生年 | 地震名 | Mj | 全壊数 | 死者数 |
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1896 | 明治三陸地震 | 8.2 | 11,723 | 21,959 |
1933 | 昭和三陸地震 | 8.1 | 7,134 | 3,064 |
1944 | 東南海地震 | 7.9 | 17,611 | 1,183 |
1946 | 南海地震 | 8.0 | 9,070 | 1,443 |
1960 | チリ地震 | Mw 9.5 |
1,571 | 139 |
1983 | 日本海中部地震 | 7.7 | 1,584 | 104 |
1993 | 北海道南西沖地震 | 8.0 | 601 | 230 |
2011 | 東日本大震災 | Mw 9.0 |
121,768 | 19,533 |
参考