リスクカーブとは損失(額)とその損失(額)を超過する超過確率の関係を示す曲線をいいます。
イベントカーブでは、縦軸に災害の発生確率から算出した超過確率をとっており、災害の発生に関しては確率論的に与えられていますが、損失の予測に関しての不確実性については考慮していません。
このイベントカーブに、損失予測過程における「不確実性」を織り込んで、予想損失額とその損失額を超過する超過確率の関係を示す曲線としたものが、リスクカーブです。
リスクカーブとイベントカーブには本質的な違いがあります。
それは縦軸の年超過確率の意味合いです。
イベントカーブの年超過確率は災害の年発生確率を損失額の大きい順に累積して計算したものです。したがって、イベントカーブの年超過確率はそれ以上の損害をもたらす"災害の発生確率"を意味しています。一方、リスクカーブにおいては、損失予測の不確実性を取り込む計算過程を通じて、算出される年超過確率は災害の発生確率から損失が発生する確率に変換されています。したがって、リスクカーブの年超過確率はそれ以上の"損失が発生する確率"を意味してます。
このように両カーブの本質的な違いは、イベントカーブが損失額とその損失をもたらす"災害の発生確率"との関係を示す曲線であるのに対して、リスクカーブは損失額と"損失額の発生確率"との関係を直接的に示した曲線である点にあります。