CATボンド(キャットボンド)とは、保険化が困難といわれる地震や台風、寒波、ハリケーンといったリスク、すなわち、リスクが顕在化する確率は低いものの、発生した場合の損害規模が大きい異常災害リスクを証券化し、リスクを金融・資本市場に移転するスキームです。「大災害ボンド」と呼ばれたり、地震を対象としたものは「震災ボンド」と呼ばれることもあります。
1992年のハリケーン・アンドリューによる大災害の後、再保険市場のキャパシティが縮小し、再保険料率が高騰したため、保険市場は資本市場の資力を要する状況に陥りました。こうした中、保険市場のキャパシティを補完・増強する目的で、CATボンドの実用化が始まりました。
現在までに、保険会社・再保険会社のみならず、一般の企業が単体でこうしたスキームを活用し、CATボンドを発行したという事例も報告されています。日本では、オリエンタルランドやJR東日本で発行事例があり、フランスでは電力会社による発行が報告されています。
参考